フトアゴヒゲトカゲの色素胞腫(しきそほうしゅ、Chromatophoroma)は、皮膚にある色素細胞や光反射細胞から発生する腫瘍で、爬虫類の中でも特に本種での報告が多い疾患です。
1. 種類と特徴
色素胞腫は、関与する色素細胞の種類によって以下のように分類されます。
- メラノフォローマ(黒色素胞腫): メラニンを含む細胞に由来。灰、黒、または褐色を呈します。
- イリドフォローマ(虹色素胞腫): 光を反射する細胞に由来。通常は白色の塊として現れます。
- ザンソフォローマ(黄色素胞腫): カロテノイドなどを含む細胞に由来。
- 粘液型(Mucinous type): フトアゴヒゲトカゲ特有の変種として報告されており、ゼリー状の組織を含み、局所的な浸潤性が高い(周囲に広がりやすい)傾向があります
2. 原因の可能性
発生のメカニズムは完全には解明されていませんが、以下の要因が示唆されています。
- 紫外線(UV)の影響: 昼行性で日光を好む種(フトアゴヒゲトカゲなど)に多く、夜行性の種には少ないことから、人工UVライトの過剰な照射が関与している可能性が議論されています。
- 遺伝と環境: 散発的に発生するため、個体ごとの遺伝的背景も影響すると考えられています。
色の付いたしこりや、鱗の変色に気づいた場合は、速やかに爬虫類を診察できる獣医師に相談することをお勧めします。

