モルモットの診療について

モルモットは毛、紙、布などの異物を食べて胃腸障害を起こして死亡することがあります。

 
自分の毛、紙、布、コード類などの異物により腸閉塞を起こしたり、胃腸の動きが悪くなったり、腸内環境が悪くなることにより、食欲が無くなったり、死亡することがあります。食べられないものをかじらせないようにしてください。便の内容をチェックしてください。

モルモットのすべての歯は健康であれば伸び続けます。伸びる方向が異常になり、尖って舌や頬を傷つけて食欲が無くなることがあります。

 
口をモゴモゴしたり、ヨダレが出たり、食べたそうだけど食べない状態が見られます。最初は飼い主様がそれに気づいて来院されるのに時間がかかることが多いです。
普段から食べ方や食べる量を観察・確認していただき、歯の異常に早めに気づいてあげてください。治療は伸びた歯を削ることですが元どおりになるというものではなくできるだけ自然の状態にもどすということであり一回の処置で治ったということではありません。（定期的な歯科処置が必要になることが多いです）。
伸びた歯をしっかり確認して獣医師とご相談され歯を削ることをおすすめします。
この病気の予防は牧草をしっかり与えることですが、与えていても発症することはあります。
なお、当院では診察時、硬性内視鏡などを使い口の中の状態を飼い主さんと一緒に確認しご相談させていただいております。（一部の神経質なモルモットでできない場合もございます。）

モルモットの雌は卵巣、子宮の病気になることが多く、卵巣ホルモンによる薄毛、脱毛や陰部より出血したりします。卵巣嚢胞については100％近く発生すると報告されています。

 
雌では卵巣嚢胞の発生が多いです。
ほとんど無症状で健診で発見されることも多い。卵巣嚢胞のサイズが大きくなると腹囲膨満がみられ食欲不振が認められることもあります。子宮疾患と併発することもあり外陰部から血様分泌物が見られることもあります。この病気が疑われたら手術かホルモン療法、止血剤などをおこないます。来院時にはすでに手遅れということもしばしばです。
この病気の予防は熟練した獣医師による早期の避妊手術をすることしかありませんが手術リスクが犬猫に比べて高いとの報告があることからできるだけモルモットの手術に経験の多い動物病院での手術をお勧めします。

モルモットはオスも乳腺腫瘍が多発します。

 
モルモットは左右の鼠径部に１対乳腺があり、オスもメスも乳腺腫瘍の発生があります。モルモットの乳腺腫瘍の70％は良性の線維腺腫で残りの30％は悪性の腺癌ですが転移はまれなので早期にきずいて病院で手術を検討する必要があります。日頃から乳腺の部分の触診をして異常を感じたら動物病院での診察をお勧めします。