カエルの口腔内腫瘍

カエルの口腔内腫瘍(こうくうないしゅよう)は、飼育下の両生類において比較的まれですが、発生すると致死率が高くなる重要な疾患です。 
カエルの口の中に「できもの」ができる場合、真の腫瘍(がん)だけでなく、細菌感染による膿瘍や代謝性疾患であるケースも非常に多いため、これらを見分けることが治療の鍵となります。 

1. 主な口腔内腫瘍の種類
カエルの口腔内に発生する腫瘍には、良性と悪性(がん)の双方があります。
  • 神経芽細胞腫 / 嗅神経芽細胞腫 (Neuroblastoma): カエルの硬口蓋(口の上の天井部分)や鼻腔付近に発生しやすい悪性腫瘍です。進行すると周囲の骨を溶かしたり、顔面が変形したりします。 
  • 扁平上皮癌 (Squamous cell carcinoma): 粘膜の表面から発生する悪性腫瘍で、潰瘍(粘膜がえぐれる状態)やカリフラワー状の増殖を伴います。 
  • 腺癌 (Adenocarcinoma): 口腔内にある粘液を分泌する腺組織から発生する悪性腫瘍です。 
  • 乳頭腫・線維腫 (Papilloma / Fibroma): 主に良性の腫瘍で、ポリープのようにぷっくりと膨らむ特徴があります。 

2. 間違えやすい「腫瘍に似た」病気
カエルの口が腫れている場合、腫瘍よりも以下の病気である確率が非常に高いです。 
  • マウスロット(感染性口内炎): 細菌や真菌が感染して口の中にチーズ状の膿(うみ)が溜まる病気です。見た目が白い腫瘍のように見えます。
  • 代謝性骨疾患(くる病・MBD): ビタミンD3やカルシウムの不足により、下顎の骨が柔らかくなって変形し、口が閉まらなくなったり、粘膜が露出して腫れているように見えたりします。
  • ガマ腫(粘液嚢胞): 唾液の通り道が詰まり、袋状に唾液が溜まって大きく腫れる良性の病変です。
  • 消化管脱: 胃や食道が反転して口から飛び出してしまう現象です。

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