感染した個体の糞便や、それに汚染された水・エサを口にすること(経口感染)で移ります。
この病気は「クリプトスポリジウム」という目に見えない極小の寄生虫(原虫)が引き起こす、非常に感染力が強く致命的な消化器感染症です。 

主な感染経路
- 糞便からの直接・間接感染: 感染した個体の便に触れたり、その便が微量に付着したケージ内の床材、シェルター、水入れなどを介して口に入ります。
- 多頭飼育による伝播: 同じケージで飼育している場合はもちろん、ピンセットや飼育者の手を介して他のケージへウイルスのように広がるケースも非常に多いです。
- お迎え時の持ち込み: 購入したペットショップやイベントの時点で既に感染しており、症状が出ないまま(潜伏期間)自宅へ連れ帰ってしまうパターンが後を絶ちません。
感染したレオパに見られる特徴的な症状
この病気に感染すると、以下のような「見た目の変化」や「消化器の異常」がはっきりと現れるようになります。
- スティックテール(拒食と激痩せ):
- レオパは通常、栄養を尻尾に蓄えてふっくらさせています。
- 感染すると栄養を吸収できなくなるため、尻尾が針金や棒のように異常に細くなってしまいます。
- 初期の奇妙な体重減少:
- 発症の初期段階では、「エサを食べているのに体重がどんどん落ちていく」という現象が起こります。
- その後、完全に食欲が落ちる「拒食」へと移行します。
- 消化不良と排泄の異常:
- 食べたエサをそのまま吐き戻してしまう「嘔吐」が頻発します。
- 水っぽく臭いのきつい「下痢」や、未消化の便をするようになります。
- お腹の膨らみ(腹水):
- 体や尻尾はガリガリに痩せていくのに対して、お腹だけが病的な炎症によってポッコリと膨らむ(腹水が溜まる)ことがあります。
飼い主が今すぐ徹底すべき予防と対策
一度発症すると現在の獣医療でも完全な駆除(完治)が極めて難しい「不治の病」に近いとされています。そのため、移さない・広げないための徹底した予防が命明です。
- 新しい個体は必ず隔離する: 新しくレオパを迎えた際は、最低でも1〜2ヶ月は先住個体とは全く別の部屋で飼育し、様子を見てください。
- お世話の順番と消毒: 毎日のお世話は必ず「先住の健康な個体」を最初に行い、「新入りや体調の悪い個体」を最後にします。一匹触るごとに、手やピンセットを確実に洗浄・消毒してください。
- 通常のアルコールは効かない: クリプトスポリジウムの殻は非常に強固で、一般的な消毒用アルコール(エタノール)や逆性石けんは一切効きません。器具の消毒には「熱湯(65℃以上で数分間)」に浸すか、医療用の特別な消毒剤を使用する必要があります。

